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同人音楽の感想をつらつら書いています。現在は http://srn.xyz に移転しています。

FELT - Abyss nova / 東方アレンジ

http://feltmusic.net/FELT011/banner460.png



Title : Abyss nova
Circle : FELT
URL : http://feltmusic.net/FELT011/

FELTは東方アレンジをメインに手がける同人音楽サークルである。
イベント会場では発熱巫女~ずの隣にいるサークル、ということで名前を知っている人も多いことだろう。

コンセプトや流儀は特に表立ってアピールしていないが、透明感や空間をイメージさせる、俗っぽく言えばお洒落な音楽を提供し続けるサークルである。
バンドサウンドを主体に、エレクトロやハウス、テクノの要素を交えたマーブルな色合いを感じることができる。
メンバーの得意分野がはっきりしているのも特徴の一つ。コンポーザーは数人抱えているが、例えばMaurits'禅'Cornelisはダンサブルな曲を、NAGI☆はどちらかと言えばロックに寄った曲を書いている。打ち込み、演奏共に各々の実力が光っている。

FELTの初作品は2010年。例大祭SPでの頒布となったMilky Winkである。
活動時間としてはまだ4年足らずであるが、既にベスト盤がリリースされたり、作品も10枚を超え、確実に活動規模を拡げている。商業の場で名前を見ることになるとすれば、今であるとKONAMIのSOUND VOLTEXであろうか。
それに収録された楽曲、Runaway Driveは6枚目のアルバム、Silver Driveが初出。コンポーザーはNAGI☆である。

さて、それではこのAbyss novaであるが、11曲構成で収録時間は約44分。
インスト曲、ボーカル曲が混交されているのがFELTの作品の特色である。このアルバムでは4曲がボーカルトラック、残りがインストである。
1曲目、Polestarはイントロとしての役割を持っている。意味は北極星
それを受けて2曲目のClosed Wingsは爽やかなロック。ボーカルは舞花である。打ち込み音とギターが折り重なる最終サビ前の間奏は必聴である。
3曲目のLostで雰囲気が一変し、novaであった雰囲気がAbyssに変貌する。この曲は4曲目のLies in Realityの前奏で、クワイアとヘヴィなベースが組み合うFELTの中でも異色の一曲。ノンストップで接続される流れが美しい、
Lostはインスト曲だが、Lies in RealityではボーカルをVivienneが務める。
5、6とインストトラックを挟み、7曲目で再びボーカル。続いて8曲目の夏草や、去りし日々の影法師が挿入される。コンポーザーであるBoyz partyはインストの名手。オリエンタルな雰囲気で、それまでの流れをギュッと締める。
ここからは落ちていくのみである。CDの流れとして、前半が明るめで後半は暗めで穏やかなものとなっている。
最後のトラック、Liminality (BYPT Planet sorrow#1 Mercury Remix)の元の曲はGround Snowに収録されたLiminalityである。全く雰囲気が異なる対照的なリミックスになっている。

CDの頭から徐々にテンションを落としていく構成はいつものFELTである。
ただ、Lost~Lies in Realityの流れは今までの作品にはなかった高揚感を与えている。徐々に音楽の方向が固まっていって新規性がなくなっていってしまう中で、非常に面白い試みだった。

現在のFELTの最新作は昨年の冬コミでリリースされたGrow Colorである。今までのFELTの楽曲のリミックスを主体に構築されている。前述のRunaway Driveのリミックスも収録している。気になった人は同時に入手してもよいだろう。