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love solfege / 蓋然性進化論II / オリジナル

love solfege

(試聴ファイルは特設ページ)

Title : 蓋然性進化論II
Circle : love solfege
URL : http://lovege.noki.tv/s_078/

love solfegeを知っている、という方は多いだろう。
メジャーにも進出しているし、ゲストメンバーが豪華ということもあり、彼らの音楽を聴いたことがなくとも、名前だけは見たことがあるといった事例もあるかもしれない。

love solfegeは彼らの音楽を「クラシカルアートポップス」と表現している。
商業初のCD、『フタリノワタシ』ではこのような紹介がされている。

クラシック音楽とロック、ポップス、R&Bの融合、love solfegeの音楽はまったく新しいコンセプトを創出する。

クラシック音楽の理論をマスターし、ゲームや劇版などの音楽制作もこなす作編曲家、松本慎一郎を中心に、声楽を学びクラシック唱法とポップス唱法を使い分け、抜群の歌唱力で様々な表情を演出する観月あんみと、音楽のモチーフになる絵画と作詞を担当し、甘い歌声も披露する鮎で構成される3人組みユニット。

これはメジャーデビューの年、2007年当時の紹介である。
この頃から音楽性がある程度固まっていたことは言うまでもない。
活動開始は2001年である。当時のCDは所持していないのでここで言及できないのが悔しいところである。

さて、話を現代に戻し、このCDについてであるが、蓋然性進化論II、と出ているように、蓋然性進化論Iも存在する。
生憎、当方がIの方を所持していないので、IIの方で記事を執筆することにした。IIを聴いて興味が出た方が居れば、是非とも前作、またこのシリーズ以外のlove solfegeのCDも聴いてほしい。クラシックが好きでなくとも、現代のポップスと融合したこの特異な音楽は聴くものを間違いなく心地よい時間へ誘ってくれるだろう。

「クラシカルアートポップス」とは何か。
名は体を表すとはこのことで、試聴ファイルでもなんでもいいので聴いてみればわかるが、現代ポップスにクラシック(もちろん想像の通りのクラシック音楽のことだ)の要素を落とし込み、そこに透明感のある女性ボーカルを載せている。
特にこの蓋然性進化論IIでは、全体的にピアノが多用されている。特徴的な要素である。
クラシカルと言うだけあって、随所にその音楽のフラグメントを感ずることはできるが、クラシック音楽のような音楽、と言う意味では使用されていない。あくまでクラシカルアートポップスとして完成している、と言うべきだろう。要するにポピュラー音楽である。

参加ゲストが豪華、と先に述べたが、この蓋然性進化論IIでも真理絵片霧烈火が参加している。
一般に知られているのはこの2人だろう。少し突っ込んだ人であれば葉月ゆらは分かるのではないだろうか。
love solfegeのお抱えボーカリストである綾野えいりはそのままオーケストラの前で歌わせても何の違和感もない歌唱力の持ち主である。

1曲目、アルバムタイトル曲の蓋然性進化論IIはピアノの連弾から始まり、激しいギターに繋がるまさに「クラシカルアートポップス」を体現した曲に仕上がっている。
ボーカルは綾野。彼女はこのCDで2曲歌唱を担当している。
4曲目のUniverseは作品の中でもひとつ違う色を魅せる、ポップスというよりはポストロック的な音楽。ほんとうにピアノが映える曲が多い。サビに入ったところでテンションがグッと上がるのも素晴らしい。
インスト曲がボーカルトラックのカラオケ版を除き1曲収録されており、それが6曲目のThe orbit of the orbisである。ピアノソロの安寧な、かつ壮麗さを兼ね備えた1曲。オーギュスト棒のセンスが光っている。

ポップス×クラシック、発想としてはよくあるものかもしれないが、完成度が高いものには中々お目にかかれない。love solfegeの作品はそんな心配に及ぶ必要はない。是非とも手にとってみてほしい。